痛みの真実2
痛みの真実!
前回の続きをお話ししたいと思いますのでよろしくお願いいたします!!
痛みの「真」事実・続編
多くの医療関係の方々が、現在の痛み医療の状況について指摘されていることを整理しますと次のようになります。
・学際的な取り組みがほとんど無い。
(※学際的な取り組み : 医師、看護師、理学療法士、職業訓練士、臨床心理士、薬剤師がチームを組んで痛みのケアに取り組む事。)
・筋痛の概念がない。
これまでの痛み治療には「筋痛」の概念が無く、あったとしても構造的な異常の2次的なものと見なされている。
・現代医学は身体をユニットとして見ておらず、専門化されている。
痛みを部分でしか見る事が出来ない為、治る べき痛みが治らずに慢性痛症化している。
例えば、痛みの発症、遷延化、増強には「心理的要因」が大きく関わっているにも関わらず、痛みは整形外科、心の問題は心療内科の領域とされ、心と身体をユニットとして見る事が出来ていない。
・慢性痛症の概念がない。
医療従事者の多くが、痛みが慢性化すると、末梢感作や中枢感作が生じ、痛みが遷延化しているだけでなく、あらたな病気を産んでしまうことを知らない。
何が痛みを起こすのか?
これには身体(生物的)の問題と、心(心理的、社会的)の問題の両方が締み合っています。
身体の問題では「トリガーポイント」と呼ばれる筋膜などに出来るしこりが原因です。
いわゆる「筋痛」です。
そして私たちの痛みのほとんどはこの筋痛で、残りは「骨折」「ガン」「感染症」などによる痛みです。
※一部書籍から引用。
この考え方は1983年にトラベル博士(故ケネディー大統領の主治医)とサイモン博士により「筋膜痛と機能障害 トリガーポイント・マニュアル」という書籍で発表されました。
要約しますと、筋や筋膜などに生じる、しこり(トリガーポイント)が痛みをはじめとするさまざまな症状を引き起こしているという内容です。
そしてそれらの症状は筋筋膜性疼痛症候群 (myofascial pain syndrome:MPS) と名付けられました。
故ケネディー大統領は椎間板ヘルニアと診断をされて、ヘルニアに対する手術をしましたが、症状が改善せず、続いて脊椎固定手術をして更に症状が悪化してしまいました。
その後、筋筋膜性疼痛症候群と診断名を変え、トリガーポイント注射などの治療を施して、症状が大幅に改善した事例が有名となっています。
慢性的に痛みがある方は、身体のあちこちに見られる硬いしこりや、押すと響くような痛みを出すポイントがあることをご存じだと思います。
トリガーポイントには診断基準がありますが、大まかに言うと、そのしこりがトリガーポイントです。
身体のあちこちに見られるしこりは、鍼灸などで使われる「ツボ」と高い確率で一致すると言われていて、トリガーポイントは「ツボ」の事だと思われている方も多いようです。
この響く感じのするポイントは東洋医学では「阿是穴(あぜけつ)」と言われます。由来は、そこを押すと、「あ~これこれ」となるからだと言われています。
皆様も経験ありませんか?指圧されて、あ~~ソコソコ・・。っていう感じです。
しかしトリガーポイントは単なる「ツボ」ではない、いくつかの特徴的な現象があります。
トリガーポイントの特徴
①トリガーポイントの圧痛は索状硬結上に限局して現れる。
(※索状硬結 : 筋膜内に見られるピーンと張ったロープ状になった部分。)
②トリガーポイントを強く圧迫すると典型的な関連痛が見られる。
(※関連痛 : 栗山に聞いてください)
③トリガーポイントを圧迫すると症状が再現する。
④飛び上がるほどの痛みを発することがある。
(Jump signという。)
⑤お腹がグルグル鳴ったり、鳥肌が立ったり、発汗するなどの自律神経反応を引き起こす事がある。
「トリガー」というのは文字通り「引き金」という意味で、ピストルの引き金を引くと、弾が遠くまで飛ぶように、トリガーポイントを押すと痛みをそこから離れた部位で感じる事から名付けられています。
これは神経の走行とは関係のない所で痛みを感じるため、「神経痛」ではなく「関連痛」と呼ばれています。
トリガーポイントが起こすこの「関連痛」が医療機関をはじめ、痛み医療に関わる方に知られていないため、痛む場所への治療に終始する。
こととなり、長年痛みで苦しまれている方が多いことの背景となっています。
トリガーポイントで慢性化した痛みやこりなどのつらい症状を軽減するには、治りにくい原因を見つけそれを解決する視点と痛む部位だけの治療ではなく、痛みの原因を治療するトリガーポイントを効果的に使用するスキルが重要です。
そんなトリガーポイントは、ご自身でセルフケアできます。
前述しましたが、押して「あ~、これこれ」と感じるところにゴルフボールやテニスボールを押し当てます。それを1日に数回やります。
こんな簡単なことですが、継続すると効果があります。
やり方なんかいくらでもあります。
自分自身で理解しながらやるのが一番ベストだと思います。
今回はこんな感じで終わります。
もっと詳しく知りたい方がいましたら聞きに来てください。